歯のコラム
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虫歯になるのはなぜ?その原因と予防法について
「毎日ちゃんと歯を磨いているのに、すぐに虫歯になってしまう」
このようなことを患者様よりいただくことがあります。歯磨きは虫歯予防の基本です。
しかし、虫歯予防はご自身で行う歯磨きだけでは不十分です。虫歯を効率的に予防するためには、以下の3点が重要になります。
- 適切なブラッシング方法を身につけること
- 虫歯になりにくい生活習慣を守ること
- 歯科医院で定期検診を受けること(検査と歯のクリーニングを受ける)
虫歯になる原因とその仕組み
虫歯は、お口の中にひそむミュータンス菌によってひきおこされます。ミュータンス菌はふだん、私たちの歯の表面に付着しているプラーク(歯垢)の中にひそんでいます。ミュータンス菌は砂糖やご飯に含まれる糖分をえさにして活動しており、酸をだして歯の表面の硬いエナメル質を溶かします。これが虫歯の始まりです。
虫歯をひきおこす要素
虫歯はひとつの原因だけでひきおこされる病気ではありません。
- お口の中の衛生状態(プラークや汚れの多さ)
- ミュータンス菌の数(虫歯菌の多さ)
- 糖分の摂取量(砂糖や果糖を摂取する量)
- 歯の質(エナメル質の厚さ)
- 唾液の分泌量(唾液がしっかり分泌できているか)
など、さまざまな要素がからみあって虫歯がひきおこされます。
中でも、「虫歯菌であるミュータンス菌の数」「食生活習慣」「歯の質」、これらは虫歯のできやすさに大きく関係します。たとえば、あまり歯を磨かない、甘い物をたくさん食べたり飲んだりする、歯のエナメル質が薄い、などの要素は虫歯リスクを高めます。複数の要素がある場合はなおさらです。リスク要素が多ければ多いほど、虫歯になる可能性は高くなります。
ミュータンス菌の感染経路
虫歯菌であるミュータンス菌は、生まれたばかりの赤ちゃんには存在しません。多くの場合、保護者からの口移しなどが原因で生後10ヶ月~36ヶ月くらいにミュータンス菌に感染します。
虫歯はミュータンス菌がひきおこす感染症の一種です。
虫歯を予防するために必要なこと
虫歯を効率的に予防するためには、以下の点を守ることが重要です。
●適切なブラッシング方法で歯を磨く
歯磨きは強い力で磨くとかえって歯を傷つけてしまいます。ペンを持つくらいの力で軽く磨くようにしてください。なお、ブラッシング方法については当院の歯科衛生士が歯磨き指導をいたします。ご希望の方は遠慮なくお申し出ください。
●砂糖はなるべく控える
砂糖や果糖はミュータンス菌のえさになります。砂糖たっぷりの甘いジュースやお菓子はなるべく控えるようにしましょう。果物にも果糖が含まれるため、食べすぎはよくありません。
●「だらだら食べ」はやめる
虫歯をひきおこす要素のひとつにダラダラと食べたり飲んだりしてしまう「だらだら食べ」があります。ごはんとごはんのあいだに甘いお菓子を食べる、砂糖が含まれた甘いジュースを飲む、このような食生活習慣がある方はお口の中で常に歯が溶かされた状態(常に脱灰が起きている状態)になり、虫歯を発症しやすくなります。間食は控え、食事は決まった時間に取るようにしましょう。
●歯質を強化する
虫歯の発症には歯質も大きく関係します。歯の表面のエナメル質が薄いと虫歯が進行しやすくなります。エナメル質を厚く強化するためには、フッ素が配合された歯磨き粉を使うのがおすすめです。歯科医院で行うフッ素塗布も歯質強化に効果があります。
●歯科医院で定期検診を受ける
虫歯予防は毎日の歯磨きと合わせて、歯科医院で定期検診を受けることが大切です。歯科医院で行う定期検診では虫歯や歯周病の有無をチェックするほか、歯磨きだけでは取りきれない歯の汚れや歯石をクリーニングおよびスケーリング(歯石取り)で除去します。
当院では上記に加え、虫歯予防のためのシーラント処置(歯の咬み合わせ面の溝にレジンを詰める予防処置※主にお子さまを対象)、および、歯科衛生士による歯磨き指導も行っています。
まとめ
虫歯予防は患者様ご自身が行う毎日の歯磨き、そして、歯科医院で定期検診を受けることが重要です(セルフケア+プロフェッショナルケア)。毎日少しずつでも、虫歯リスクを減らす努力をすることで虫歯予防の効果はさらに高まります。健康な歯を守るため、「毎日の少しの努力」を欠かさないようにしましょう。
当院は「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」と「歯科外来環境加算算定歯科医院」の認定歯科医院ですので、お困りの事があればお気軽にご相談ください。